補足： 以上の投稿を整理し、若干の加筆をして、Fedibird（マストドンの仲間）に投稿しました。 こちらの新バージョンの方が読みやすくなっています。 fedibird.com/@AkioHoshi/1...
日本はいま変な国になっていて、政府の動きは人権バックラッシュ（逆行）が激しい一方で、国際基準で動くビジネスの現場ではますます人権に配慮した経営が求められている。 企業はサプライチェーン全体での人権状況改善が求められている。ユニクロがサプライチェーンからウイグル強制労働に由来する製品の排除を求められた。ジャニーズ問題は、スポンサー企業のコンプライアンスに抵触することが問題が大きくなった一つの要因だ。パワハラ、セクハラの撲滅も人権状況改善の一つ。 日本の人権状況改善という課題の中で見れば、下手をすると一部の行政機関より企業（主に大企業だが）の方が先進的、という構図になるやもしれぬ。
日本国の場合、政権与党である自民党のの中に堂々と「人権をやめよう」論を唱える政治家がいる。政権与党に影響力を行使してきた統一教会や日本会議も人権が嫌いだ（統一教会系の論客は「人権を教えると家庭が/教室が崩壊する」と堂々と主張する）。そして自民党が憲法改正を進める狙いの一つが人権を無効化すること。 男女共同参画の骨抜き、子ども庁から子ども家庭庁への改名、夫婦別姓への反対、同性婚への反対、LGBT法骨抜き、共同親権の導入など、各分野で人権バックラッシュ（人権への逆行）がじわじわと進んでいる。 一方で、ジャニーズ問題があれだけ大きくなったのは「ビジネスと人権」の枠組みのおかげだ。
(2)に重要な補足。国連機関やNGOの多くは（上に述べた文書化だけでなく）人々を助ける直接的な活動で人権状況を改善を計っている。国連機関ではWHO、ユニセフ、ガザで注目集まるUNRWA、UNHCRなど。NGOではアムネスティ、ヒューマン・ライツ・ウォッチなど。これら機関が重要であることは強調しておく。 そうではあるが、最もキャパが大きな人権擁護機関は各国の行政だ。一方で、人々の人権を最も大規模に侵害している主体は各国の法執行機関（警察、入管、刑務所など）と治安維持部隊。これは大きな矛盾だ。 理屈の上では行政の現場、そして政権中枢に人権のアイデアを浸透させることが最も効果が大きいのだが……
レッシグは、人々の行動を制御する方法として、法、規範、アーキテクチャ(コード)、市場の4つを挙げた。 (1)は法、(2)は法なんだけど実質は規範、(3)と(4)は市場原理を規範で操作、といった感じか。 加えて、「理性を持ち人権を守りましょう」というアイデアを市民に広めるやり方がある（いわば「新しい啓蒙」。いくつか派閥がある）。これは「規範」に相当する。 アマルティア・センは規範の重要性を強調する。ザルの目を細かくし、なるべく多くの人権問題を拾い上げるには「目玉の数が多い」方が有利だ。
メモ。現実世界の人権状況を改善するやり方は複数ある。 (1)各国の憲法、法律に人権を組み込み、各国の司法・行政が法により人権を守る (2) 国際人権法（世界人権宣言、国際人権規約、各種人権条約）を根拠に、国連機関、NGO、欧州議会、米国国務省のような影響力ある団体が人権問題を言語化・文書化し問題解決を促す (3) 「ビジネスと人権に関する指導原則」やESGの指標の形で企業経営に人権を組み込む (4) SDGsインパクト投資のような形で、投資家が人権状況を改善する方向に資金を流すよう影響力を行使する あの手この手で、少しずつ人権状況改善の取り組みは強化されている。（続く
Share News Japanあたりも、あたかも報道メディアかのように誤認させて政治的な意図をもった発信を繰り返してるし似たようなもんだよな。ああいうのどこがやってるんだろ。
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