逆に言えば前作でのシンプルなストーリー、追いかけっこの一方通行アクションからなるソリッドな印象が、世界もアクションも横に広げたことで無くなってしまったからなのかもしれない。 確かに前作で「フュリオサ」と言うキャラクターはとても魅力的だったし、全ては語られなかった過去や更なる活躍を見たい気持ちが無かったわけでは無いけど、じゃあそれを実際に企画して面白くなるのか、というのは別問題なのだと感じる。 何かを好きになることはその特定の状況下で映し出された描写に潜む「本質」であり、「それそのもの」を無条件で好んでいるわけでは無いんだな、と考えさせられる機会にもなった。

ただもちろん良いシーンもたくさんあり、中盤に登場するジャック(もうほぼマックスだろこいつ)との共闘や、パラグライダーで上空から攻撃してくるカッケェ敵、魔改造しまくりバイク軍団など見て楽しい要素も盛りだくさんだった。 ただやはり前作の上がりに上がったハードルは越えられなかったか。エンドロールに流れるデスロードの名場面のせいで「やっぱりデスロードって凄かったんだな」と言う気持ちにさせられ劇場を後にした。