〈報告レポート　その1〉 ・推定年齢13歳ほどの少女を素体に作られた狙撃支援型Stungerm。彼女の右腕側に備え付けられた大弓は、大抵の装甲を正面から叩き割り致命傷を与えるボルトを発射する。 ・性格は年相応に無邪気な女児のそれであり、敬遠されがちなStungermの中では、恐らく最も接しやすい個体となっている。しかし、時折見せる鋭い視線と殺気からは得体のしれない何かを感じる。 ・続く戦争による景気の悪化、それに付随する家庭内不和により虐待を受けていたと推測。発見時に多数の傷跡や栄養失調の症状が見られ、また家族の記憶が欠落しているため記憶喪失になったものと思われる。

〈報告レポート　その2〉 ・素体は道端に捨てられていたところを通りかかった一般兵士が発見。彼は独断で彼女を自身の部屋に連れて行った。（優しさからきた行動か？） ・突然彼女が狂暴化。痩せ細った体からは到底出しようのない暴力性を突如発揮し、その騒ぎに駆け付けた他の兵士により取り押さえられる。上層部は、飼いならしやすい性格と秘められた暴力性を鑑みて、「Stungerm」への改造を命令。もちろん彼女に拒否権は無かった。 ・暴力性を発揮した人格...第二の人格に施された数多の「教育」の末、人格の確立と主人格へ庇護的な感情を植え付けることに成功。こんな少女にすることではない。狂ってる。