親と同年代の著名人の訃報が続く。 実家に帰った兄弟から、母に痴呆の翳りが見えると報告が入る。 結婚後、故郷を離れ、遠方なのを理由に帰省も少なくなった。頼る事案もない。 大人になり子育てをする中で、あんな風に言われたくなかった、こう育ててほしくなかったと愚痴が増えた。 それでも、親の棺を前にすれば悲しむだろうかと、秋の光の中でふと考える。