続）花江＆寅子を対で描くのもすごくよい。あと私は『らんまん』の綾様＆万太郎もすごく好きでしたので。何度もエッセイに書いてきた通り私は寅子タイプで実妹は花江タイプ、姉妹同じ子供部屋で育ってじつに多くを学んだ。私が観てられなくなる朝ドラは「花江型が途中から突然（他者の影響で）寅子型に転向する」の筋書きがグダグダなやつで、そんなことありえんだろ、と思う。みんな自分の頭で考えて行動してるんだよ。寅子は「兄と結婚するため（だけ）に私に近寄ってきた」親友にドン引きしたのを「兄嫁、家族」と再定義することで呑み、花江は花江で「嫁いだ途端ずっと対等だった親友が私を低く扱う（気がする）」と嘆く。どっちもあるのよ。

続）「朝ドラのヒロインになるのは花江タイプではなく寅子タイプの女の子ですよ」はおそらくこの枠が誕生した時代から基本路線としてそう変わらないはずで、しかし、だからといって、朝ドラ枠が花江タイプの女性を脚本都合で「悪く」「下げて」描くことは絶対あってはならない、と考える視聴者として、「うわー、よくいるカウンタータイプの腹黒い女学生の友！」と思ったら早々に「（寅子に無いものを持つデキる）義姉」に転身する、そしてその後を観ていけば「こんな家のこんな男きょうだいだけに囲まれていたら寅子の人生観は全然別のものになっただろう、一つ屋根の下で暮らす花江がいてよかったね」と思う。これは私も実妹に対して思うのよ。