cir.nii.ac.jp/crid/1390009... 片山慶隆の論文。

cir.nii.ac.jp/crid/1390300... 八八艦隊を巡る海軍協会とはまた別の論考。

cir.nii.ac.jp/crid/1390282...

ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00051547

【論説】www.jikkyo.co.jp/download/detail/29/9992656955 大谷正「日清戦争研究の現状と歴史教育」

米内は回想で蒋介石を大物として評価する中で、東洋の文明国である日本が劣った中国を先導してやることは当然であり、劣った側がケンカして来ても大人の対応をすべきという当時の知識人共通のアジアモンロー主義に基づいた中国観を披歴しているが、日中戦争回避については最も強硬に主張していた。結論を急ぐと米内の大変節は手嶋によれば、華南・華中という海軍管掌範囲に戦火が及んだ為の利害関係による変節。相澤はそれを一歩進めて、先に紹介した米内のアジアモンロー主義的中国憐憫が、3F旗艦出雲が空爆されるという事態で「劣った中国への憐憫が爆撃によって破壊された」とみる。

相澤淳「海軍の選択」第３章「蒋介石との対決」第４章「南進への布石」第５章「太平洋上の満洲事変」まで、盧溝橋から南進論に傾斜していく海軍の軍政変化を第3章から第4章米内光政の動向を中心に追っている。米内は盧溝橋以降不拡大派であり蒋介石シンパだったがトラウトマン工作潰しに走る。トラウトマン工作に反対した軍人・政治家の中で南京攻略を主張したのは米内が最初だと思われる。米英協調派として戦後描かれた米内像が実は違うと言うのが第4章までのテーマ。これは手嶋泰伸「日本海軍と政治」のテーマと重なるが、史料の豊富さは相澤に軍配が上がる。

しまった。積んでいた麻田の日ソ戦争、ゆうさいさんに先を越されているw

ワシントン条約離脱時日米海軍比率は米10：日8超で、米が条約枠上限まで主力艦整備達成には1940年以降、かつパナマ運河通航可能戦艦は40センチ主砲4万トン級が限界と予測し、条約枠上限まで整備してる海軍は、米が条約枠上限整備が終わる1940年以降に大戦艦建造すれば優位不動だと予測。これが大和型。今となっては、米平時建造能力を8万トンとした事、主力艦建造期間を数年と予測した事が破綻の原因とわかるが、当時米海軍が本気で、ワシントン条約上限まで生産出来たとしても、艦齢による同時退役問題があり、事実米海軍は急増産を否定していた。この辺も海軍の甘い見通しの原因となった。

対米七割を不磨の大典とする漸減戦略を無条約下で維持するには、常に「米製艦能力」を把握するともに、ビンソン計画及び両洋艦隊法（現戦力七割増）に対抗する建造計画策定が必要だが、ワシントン条約下米海軍整備状況が、それら計画に基づく対米七割への楽観視を招来したと相澤は書く。石川を始めとする軍令部は、ワシントン条約下で米海軍が財政上の理由から主力艦及び潜水艦等が建造出来ておらず、条約枠上限に到達していない点に着目し、かつ米海軍建造能力を平時では8万トンと試算。そして建造期間を主力艦は計画から数年かかるとした。