学生時代のバトラーは「俺ら黒人が苦労してるのはヘタレな先祖たちが本気出さなかったせい」とイキり散らす同級生にかなりカチンときたそうで、「したら19世紀初頭にタイムスリップさせちゃるけぇ生き抜いてみろやボケ。俺ならああするこうするとか架空戦記と異世界モノの読みすぎじゃボケ」というのが『キンドレッド』誕生の経緯。 発行は1979年発行だけど、そういう着想のもとに書かれてるもんだから2020年代のオタク日本人にとっては「いまだからこそ」読んでおきたい作品といえる。

店内カゴ。電車のシート。エスカレーターの手すり。 いつも利用しているところとは異なる色のやつに出くわしたときの、すげぇ変な色ってわけでもないんだけどなんか落ち着かないな〜というあの感覚。

降り立つ駅が渋谷とか池袋だったら多少は気分も上がるだろうけどさ……品川だぜ？ 品川を舞台にした曲なんて『品川心中』ぐらいしか思いつかないぜ？

♪む～ね～のお～く～でふ～るえ～てる～ ♪ひ～かりとかげをだ～きしめたま～ま～

テナント広告も含めていいなら、錦糸町丸井や藤沢名店ビルはまだ縦長垂れ幕下げてますね。

スエード調合皮の平革紐、合皮っつうかこれ細切りのフェルト地なんじゃないの？ ってぐらいブチブチ切れる。

例の採石場で菅原文太が謎の白学ラン集団と殴り合ってるところ（ボクシング映画のはずなのになぜそんなクライマックスなのかは説明しがたいのだが）へ主人公が「イエェェェ～イ！」と蕎麦屋のカブで駆けつけるところ、凄くいいんだよ。 なぜ蕎麦屋のカブなのかは一切説明なし。でもキャラが立ってるから「おっちゃんコレ借りるで！」「借りるてアンタ、ちょ、ドロボー！」的な小芝居があったんだろうなと誰にでも想像がつく。察しが付くトコはわざわざ描かなくてもよいというスマートな省略。

まあ、ひどい夢にうなされていたところだったので猫に助けられたともいえるのだが。 Uber Eatsのことなんか一言も喋ってないのに「そんなにUber Eatsがお嫌いならご自分で買いに行かれては？」と一方的に絡まれる夢。 挙げ句、Uberのロゴステッカーを100枚×30束ほど投げつけて「差し上げますよ。使い切れないでしょうけど」と小馬鹿にした顔。「てめえの車（赤）に貼りまくってクリスマスにしてやらあ！」とぶちキレるもちまちまキレイに貼り並べてゆくのでものすごく時間がかかるわ、シールの台紙でゴミ袋がすぐ一杯になるわって、ほんとひどい夢。

トレーラーハウスでお母さんと二人暮らしなことがラップバトルの対戦相手にバレてしまった。これはボクちゃん扱いされること必至。どうする大ピンチ。 ならば先攻自爆だ。「そうさ俺は親元暮らし」。それは俺が擦るはずだったネタじゃんと狼狽えるライバル。 「そんなことより知ってるか。奴は結構いいトコ暮らしで妹は私立に通ってる」と畳みかけ、「俺らデトロイトの市外局番は313。でもあいつん家の番号は違う！」と追い打ち。 沸き起こる313コール。一言も返せずに逃げ去るライバル。そして伝説へ。 「ロクでもない世界だなあ」と腹抱えて笑うのはどうやら的外れな反応であったらしく、ならばもう、生涯解らんままでいいやと。

「ホットロディマスってぶっちぎりバトルハッカーズに出てなかった？」という俺の偽記憶については、TF勢に怒られるので口をつぐむ。